「日焼け止め、とりあえず耐水性の買えばいいんじゃないの?」
薬学を学ぶ前は私もそう思っていました。でも釣り特有の環境に合った選び方をしないと、せっかく塗っても思ったより効果が出ないことがあるんです。
この記事では薬剤師の視点から、SPF・PAの本当の意味と釣り向け日焼け止めの正しい選び方を解説します。
☀️ そもそも紫外線って何?なぜ釣りで特に危険なのか
日焼けの原因は「紫外線(UV)」です。紫外線には主に2種類あり、それぞれ肌への影響が異なります。
UVB(紫外線B波)
肌の表面に届き、赤くなる日焼け(サンバーン)を引き起こします。シミ・そばかすの原因にもなります。
UVA(紫外線A波)
波長が長く、肌の奥の真皮にまで届きます。シワ・たるみなどのエイジングに深く関わっており、曇りの日でも・窓越しでも降り注いでいます。
「曇りだから日焼けしないと思っていた」という方は要注意。環境省の紫外線環境保健マニュアルによると、薄い雲の場合でも紫外線の80%以上が通過するとされています。曇りの日でも油断は禁物です。
なぜ釣りが特に紫外線リスクが高いのか。それは「直達光・散乱光・反射光」を同時に受けることが大きな理由です。水辺では水面からの反射光(反射率10〜20%:環境省2008年版マニュアルより)も加わるため、多方向から紫外線を受けることになります。
釣りを始めた当初は、日焼け止めなんてと思い塗らずに釣行していました。釣り場には日影がないことが多いですよね。そんなことも知らずに釣りを始めた私は、帰るころには真っ赤に日焼けし、数日お風呂に入るのもつらい日々だったことを覚えています。
水面を見ることの多い浮き釣りでは特に、この反射光による日焼けの影響を感じることができます。
🔬 SPFとPAって何?薬剤師が正確に解説します
日焼け止めのパッケージに必ず書いてある「SPF50+/PA++++」。これがちゃんと理解できると、商品選びが格段に上手くなります。
SPF=UVBから守る指標
SPF(Sun Protection Factor)は、UVBによって肌が赤くなるまでの時間を、何倍に引き延ばせるかを示した数値です。花王の公式情報によれば、SPF50より高い値はSPF50+でまとめて表示されます。
SPFの数値は「防げる紫外線の量」と混同されがちですが、実際は「時間の倍率」を表しています。また、SPF値が高くても塗る量が少ないと効果は十分に発揮されません。高いSPF値を盲信するより、適量をムラなく塗ること・こまめに塗り直すことの方が効果に大きく影響します。(参考:花王公式製品Q&A)
PA=UVAから守る指標
PA(Protection Grade of UVA)は、UVAの防止効果を「+」の数で表したものです(花王公式より)。
| 表示 | 効果レベル |
|---|---|
| PA+ | UVA防止効果がある |
| PA++ | UVA防止効果がかなりある |
| PA+++ | UVA防止効果が非常にある |
| PA++++ | UVA防止効果が極めて高い ← 釣りにはコレ! |
釣りのような長時間屋外活動では、PA++++ を選ぶのがベストです。
🎣 釣りに必要なスペックはこれだ|シーン別に解説
【堤防・磯・サーフ・ボート釣り】長時間・直射日光
釣りの中でも最も紫外線リスクが高いのが、遮るものが少ない堤防やボートでの釣りです。
| スペック | 推奨値 |
|---|---|
| SPF | 50+(最高値) |
| PA | ++++(最高値) |
| 耐水性 | あり(2024年12月〜統一基準適合品) |
| 塗り直し | 2時間ごとが最重要 |
耐水性のものでも、時間とともに落ちてきてしまいます。私はこまめに休憩をとるので、その際に必ず塗りなおすようにしています。これをするかしないかで、帰宅後の皮膚の赤みが全く違います。
【渓流・木陰のある釣り場】日陰が多い環境
木が多く日陰も確保できる渓流釣りであれば、やや控えめなスペックでも対応できます。
| スペック | 推奨値 |
|---|---|
| SPF | 30〜50 |
| PA | +++ 以上 |
ただし、水面からの反射光は渓流でも発生します。完全に油断はしないようにしましょう。
「耐水性」の表示は2024年12月から業界基準が統一されました(日本化粧品工業連合会)。以前は各メーカーがバラバラの基準で「ウォータープルーフ」と表記していましたが、現在は統一基準をクリアした製品だけが耐水性を正式に表記できます。
PHARMACIST’S PICK
あなたに合う日焼け止めを選ぼう
下の4タイプからあなたのシチュエーションをクリックして確認👇
✅ 釣り現場ですぐ使える!日焼け止めの正しい使い方
- 出発の30分前に塗る:塗ってすぐ出ると効果が安定する前に落ちることがあります
- 顔・首・耳・手の甲を忘れない:釣り人がよく見落とす箇所です
- 2時間ごとに塗り直す:汗や水で落ちるため、こまめな塗り直しが最重要
- ウェア・帽子・偏光グラスと組み合わせる:日焼け止めだけに頼らず、物理的な遮光も併用するのがベスト(環境省推奨)
- 帰宅後はしっかり洗い流す:SPFの高い製品ほど落としにくいため、クレンジングか石けん洗顔を使う
耳だけ塗り忘れ、数日耳を真っ赤にして働いていた経験があります。結構恥ずかしいので、塗り忘れ注意‼
この情報は一般的な知識に基づいています。敏感肌・アレルギーをお持ちの方は、成分表示を確認のうえ、かかりつけの薬剤師にご相談ください。
📋 【釣り薬剤師おすすめ】選ぶときのチェックポイントまとめ
| チェック項目 | 釣りでの推奨 |
|---|---|
| SPF | 50+(長時間釣行の場合) |
| PA | ++++ |
| 耐水性 | 統一基準適合品(2024年12月〜)を選ぶ |
| テクスチャ | 汗で目に入りにくいスティック・ジェルタイプも◎ |
| 携帯しやすさ | 塗り直しを考えてコンパクトサイズも重要 |
準備中
❓ よくある質問
⚠ 釣りに行く前に必ず確認!
紫外線は曇りの日でも約60%届きます
「曇ってるから大丈夫」は危険!早めの準備が肌を守ります
🕶 目の紫外線対策も忘れずに → 釣りで目が痛い原因は紫外線?薬剤師が教えるサングラスの選び方
👁 目が充血したときの正しい目薬の選び方 → 釣りで目が充血する理由と正しい目薬の選び方|薬剤師が成分から解説
📝 まとめ
この記事のポイント
- 釣りは直達光・散乱光・水面からの反射光(反射率10〜20%)を同時に受けるため、普段よりも特に紫外線への注意が必要
- 日焼け止めは SPF50+・PA++++・耐水性あり の3点を基準に選ぶ
- どれだけ良い日焼け止めを選んでも、2時間ごとの塗り直しが最も大切
紫外線対策をしっかりすることで、翌日の疲れや肌トラブルが減り、釣りをもっと長く楽しめるようになります。薬剤師として、肌を守りながら釣りを楽しんでほしいと心から思っています。
それでは、健康で楽しい釣行を🎣
📚 参考文献・情報元
■ 紫外線・健康影響に関する公的機関資料
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル2008」(水面反射率10〜20%のデータ出典)
- 気象庁「紫外線による健康被害の予防」
■ SPF・PAの定義・化粧品規格に関する情報
- 花王株式会社 製品Q&A「日焼け止めなどの表示にあるSPFやPAって何?」
- 資生堂 アネッサ「SPFとPAの違いって?賢い日焼け止めの選び方」
- 資生堂 お客さまサポート「SPFとPAとは何ですか?」
■ 耐水性の新基準に関する情報
- シャンソン化粧品OEM「SPF・PA・耐水性:日焼け止めにまつわる数値について解説」(日本化粧品工業連合会基準を解説)
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療・美容アドバイスではありません。
※ 個人の肌質やアレルギーにより適切な製品は異なります。心配な方は薬剤師・皮膚科医にご相談ください。
※ 情報は執筆時点のものです。最新情報は各機関の公式サイトをご確認ください。


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