こんにちは、釣り好き薬剤師のRuriです。
釣りから帰ってきたとき、目が真っ赤になっていた経験はありませんか?
「とりあえず目薬でもさせばいいか」と充血取り用の目薬を毎回使っている方——実はその使い方、目を助けるどころか悪化させるリスクがあるかもしれません。
今回は薬剤師として、釣り人が知らずにやってしまいがちな目薬の間違った使い方と、釣り後の目薬の選び方・正しいアイケアを解説します。
夏に限らず、サングラスを忘れた日には目が真っ赤になります。仕事にも支障が出てしまうほど真っ赤で苦労したのを覚えています。皆さんもありますよね⁈
釣りで目が充血する原因——実は過酷な環境だった
水面反射による紫外線ダメージ
釣り場では、空から降り注ぐ直射日光に加えて、水面からはね返る紫外線も目に当たり続けます。水辺は陸上に比べて紫外線の照り返しが強くなりやすい環境とされており、長時間の釣行では目が受ける紫外線量が増える傾向があります。
紫外線は蓄積するもの。1回の釣行でのダメージは軽微でも、長年の積み重ねが目の健康に影響を与える可能性があることは、眼科領域でも指摘されています。
風・潮風・乾燥のトリプルパンチ
堤防や船の上では常に風にさらされます。風による乾燥、潮風に含まれる塩分の刺激、長時間の集中による瞬きの減少——これらが重なると、目の表面(角膜)が乾燥しやすい状態になります。
風が強い堤防で半日粘ったあと、目がゴロゴロして砂が入ったみたいな感覚に…。風が強いとどうしても乾燥してしまい、釣行中は気がつきませんが、釣行後に辛くなることが多いです。
「目が疲れた」「充血した」は釣り人あるある。でもその原因の多くは紫外線+乾燥のダブルパンチです。目薬の前に、まず原因を知ることが大切です。
釣り後の目薬選びで注意!血管収縮剤の連用リスク
薬剤師として強調したいのは、この充血を「抑えているだけで、原因を取り除いているわけではない」という点です。血管収縮剤の連用については、以下のようなリスクが懸念されています。
「充血取り目薬」の正体
市販の目薬の中に「目の充血を取る」と書かれたものがあります。これらの多くに含まれているのが血管収縮剤(塩酸ナファゾリン・塩酸テトラヒドロゾリン・塩酸フェニレフリンなど)という成分です。
この成分は点眼直後に白目の血管を収縮させて充血を抑えるとされています。「効いてる!」と感じる理由はそこにあります。
① リバウンド充血
薬の効果が切れると、収縮していた血管が反動でより拡張しやすくなることがあります。その結果、使う前より充血がひどくなる——いわゆるリバウンドです。充血が気になってまた目薬を使う、さらに充血が悪化する、という悪循環に陥る可能性があります。なお、PMDA(医薬品医療機器総合機構)に登録されているナファゾリン硝酸塩含有点眼薬の添付文書においても「連用又は頻回使用により反応性の低下や局所粘膜の二次充血を起こすことがある」と記載されています。
PMDA登録の添付文書(ナファゾリン硝酸塩含有点眼薬)においても、連用・頻回使用による二次充血のリスクが記載されています。
症状が続く場合や、目薬をやめると充血が悪化する場合は、眼科への受診をご検討ください。
② 目への影響が懸念される(コンタクト使用者は特に注意)
血管を収縮させることで、理論上は血流を通じて目へ届く酸素量が低下する可能性があります。特にコンタクトレンズ使用中は、もともと目が酸素不足になりやすい状態とされているため、血管収縮剤の使用が目への負担を増やす懸念があるとされています。眼科医・薬剤師からコンタクト装用中の使用を避けるよう案内されることが多いのも、こうした背景があります。
③ 充血の原因が隠れてしまう
充血には紫外線ダメージ・アレルギー・感染症など様々な原因があります。血管収縮剤で見た目だけ白くしても、根本的な原因は放置されたままです。眼科では血管収縮剤が充血治療の第一選択として用いられることは一般的ではなく、症状の原因に応じた治療薬が処方されます。
釣り後の目薬の選び方——薬剤師が成分で解説
目薬を選ぶときは「充血取り」「目がスッキリ」などのキャッチコピーではなく、成分表を見る習慣をつけてください。血管収縮剤が入っているかどうかが判断の分かれ目です。
| シーン | 用いられる成分の例 | 避けるべき成分 |
|---|---|---|
| 紫外線・乾燥ダメージ後 | ヒアルロン酸・コンドロイチン(人工涙液系) | 血管収縮剤全般 |
| 疲れ目・ピントかすみ | ネオスチグミン・ビタミンB12 | 血管収縮剤全般 |
| コンタクト装用中 | コンタクト対応明記のもの | 血管収縮剤・ソフトコンタクト非対応品 |
① 紫外線・乾燥ダメージ後のケア → 人工涙液・ヒアルロン酸配合
釣行後の「目の乾き・ゴロゴロ感・疲れ感」には、涙に近い成分で目を潤すタイプの目薬が用いられることがあります。
選ぶ際のポイントは「ヒアルロン酸ナトリウム」や「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」などの保湿・保護成分が含まれているか。成分表に「塩酸ナファゾリン」「塩酸テトラヒドロゾリン」などの血管収縮剤が含まれていないかも合わせて確認しましょう。
② 目のピント疲れ・かすみ → ネオスチグミン・ビタミンB12配合
ルアーやウキを長時間目で追うことで毛様体筋(ピントを合わせる筋肉)が疲労することがあります。こうした疲れ目には、ネオスチグミンメチル硫酸塩やシアノコバラミン(ビタミンB12)を含む目薬が用いられることがあります。
③ コンタクトレンズ使用の釣り人 → コンタクト対応明記のものを
コンタクトをしたまま使える目薬かどうかはパッケージに明記されています。血管収縮剤入りはコンタクト使用時には特に注意が必要とされています。必ずコンタクト装用可能と明記された目薬を選んでください。
目薬に頼る前にやること——釣り人の目を守る3つの習慣
薬剤師として、目薬と同じくらい大切だと思っているのが予防です。
- 偏光サングラスを使う:水面反射のギラつきをカットし、紫外線から目を守る偏光サングラスは釣り人の必需品。UVカット機能が付いたものを選びましょう。レンズの色の濃さと紫外線カット力は別物なので、必ずUVカット表記を確認してください。
- 釣行後は目を休ませる:帰宅後すぐにスマホ・PC——これは目のオーバーワークです。釣りで酷使した目にさらに近距離の画面は負担になりやすいです。帰宅後しばらくは目を休ませる習慣をつけましょう。
- 目薬は「乾燥・疲れ用」を常備する:充血取りではなく、人工涙液タイプを釣りバッグに1本入れておく。これだけで釣行中・後のケアが変わります。
偏光サングラスを使い始めてから、帰宅後の目の疲れが明らかに減りました。
防腐剤フリーの人工涙液・ドライアイ用目薬(「充血取り」ではなく「目の乾き・潤い補給」に特化したタイプ)
よくある質問
Q. 釣りから帰ってから充血がひどいのですが、すぐに眼科に行くべきですか?
A. 1〜2日休んで自然に落ち着くようであれば、まず経過を見てもかまいません。ただし痛みを伴う、視力の変化がある、数日経っても改善しない場合は眼科を受診することをお勧めします。目の充血は様々な疾患のサインである場合もあります。
Q. 「目がスッキリする」系の目薬はよくないのですか?
A. すべてが問題というわけではありませんが、清涼感を出す成分(メントールなど)と血管収縮剤は別物です。問題とされるのは血管収縮剤の連用です。成分表で「塩酸ナファゾリン」「塩酸テトラヒドロゾリン」「塩酸フェニレフリン」が入っていないかを確認するのが確実な方法です。
Q. コンタクトをしたまま釣りをしていいですか?
A. 使用できないわけではありませんが、潮風・乾燥・紫外線の多い環境はコンタクトにとっても目にとっても負担が大きいとされています。できれば偏光サングラス対応のフレームに度付きレンズを組み合わせる方法も検討してみてください。目薬は必ずコンタクト装用可能と明記されたものを選びましょう。
Q. 子どもを連れて釣りに行きます。子どもの目のケアで気をつけることは?
A. 子どもは成人と比較して水晶体が紫外線を透過しやすい傾向があるとされています。子ども用の帽子とUVカットサングラスの着用が勧められます。目薬は年齢制限がある製品も多いため、使用前に必ず添付文書を確認するか、医師・薬剤師にご相談ください。
🕶 そもそも紫外線から目を守るにはサングラスを → 釣りで目が痛い原因は紫外線?薬剤師が教えるサングラスの選び方
🌸 花粉で目がかゆい・充血する場合はこちら → 釣り人の花粉症薬の選び方|眠くならない市販薬を薬剤師が比較
まとめ
釣り場は紫外線・乾燥・風が重なる目に負担の大きい環境。偏光サングラスと帰宅後のケアが予防の基本です。
充血取り目薬に含まれる血管収縮剤の連用は、リバウンド充血のリスクが懸念されています。成分表を確認し、人工涙液・保湿タイプを選びましょう。
目薬は「スッキリ感」より「成分」で選ぶ。血管収縮剤フリーで、症状に合った成分が含まれているかを確認するのが薬剤師流の選び方です。
また釣りで会いましょう🎣
参考文献
| No. | 情報源 | 内容 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| ① | PMDA ナファゾリン硝酸塩含有点眼薬 添付文書 | 連用・頻回使用による二次充血リスクの記載 | 2026年4月28日 |
| ② | PMDA プリビナ点眼液0.5mg/mL 添付文書 | ナファゾリン硝酸塩の成分・効能・注意事項 | 2026年4月28日 |
| ③ | 厚生労働省 一般用医薬品の添付文書等に記載する使用上の注意事項 | OTC点眼薬の注意事項に関する公的基準 | 2026年4月28日 |
- 本記事は薬剤師資格を持つ釣り人(釣り好き薬剤師のRuri)が執筆
- 血管収縮剤の連用リスクはPMDA添付文書・厚生労働省公式情報に基づいて記載
- 紫外線に関する具体的な数値の断定は避け、一般的傾向として記載
- 酸素供給への影響は「理論上・懸念」の表現にとどめ、臨床断定は行っていません
- 具体的な用量・使用回数は添付文書に従うよう案内し、本文には記載していません
- ⚠️ 本記事は一般的な情報提供であり、個別の医療相談ではありません
- 目の症状・持病・服用中の薬については必ず医師・薬剤師にご相談ください


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